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史跡西宮砲台

「大砲」と聞くと第二次世界大戦を想起する方が多いでしょうが、こちらは幕末といいますから
いったい何年前かという感じです。

幕末、国防不安を感じた徳川幕府は、大阪湾に砲台を築き、本格的な摂海防備に着手しました。砲
台の位置は勝海舟が計画し、西宮ではこの「西宮砲台」のほか、今津にも築かれました。

　　　　　　　　　　　

西宮砲台は、1863年着工し、1866年になってようやく完成しました。砂地に建てるため多数の松
杭を打ち込んで地盤を固め、その上に瀬戸内海中部の島々から運んだ花こう岩を積み上げています。

砲台の高さは約12ｍ、直径約17ｍで、外側には漆喰が塗られています。2層目に見られる12個の孔
は、大砲で四方をねらうための11個の砲眼と窓で、内部には井戸・弾丸庫が設けられました。

実際には、完成後試射をしたときに煙が内部に充満し、使うことはありませんでした。現在は重要
文化財に指定され、その余生（？）を送っています。

幕末といえば、新選組や坂本龍馬などさまざまな人物や出来事がありますが、こんなところにも当
時の苦労が偲ばれます。

所在地：西宮市西波止町

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