量子力学の話が続きます。
前述のとおりウイルスは水分子より小さく、10のマイナス9乗メートルくらいで、この大きさはナノメートルと呼ばれます。この大きさになると、通常の顕微鏡(光学顕微鏡)ではなく、電子顕微鏡や走査顕微鏡という装置で「見る」ことになります。
このくらいの大きさになると、東京とロンドンくらい離れていても、その「情報」は簡単に伝わります。たとえば、ペアになった粒子Aと粒子Bのそれぞれのスピンの向きが「Aが上向き・Bが下向き」と「Aが下向き・Bが上向き」との重ね合わせ状態を形成している場合です。このような場合、一方の粒子を観測してその状態が分かれば、もう一方の粒子の状態は観測するまでもなく、決まってしまうのです。たとえば、Aが下向きだと観測されれば、その瞬間Bは上向き状態に決まります。これは状態の瞬間収縮により瞬時に起こります。
科学者ではない一般の方が理解するには、「情報がテレポート」するという言い方の方が分かりやすいでしょう。
現在の科学(あるいはこれからも)では、コロナウイルスが発生する前にそのことを知ることができません。なぜなら、「何と何が結合してコロナウイルスになるのか」が見えないからです。