『あの人イヤねぇ、性格まがってるのよ』
『あの人は人格者で、懐も広い素敵な人』
というように、「性格」という言葉はいろいろな言い方で使われます。もちろん性格は目に見えませんから
曲がっていたり広がっていたりすることはありません。(笑)
性格という言葉を「人格」と置き換えれば、WHO(世界保健機構)に定義があります。『その個人の思考・
感情・行動の根底にある持続的で一定したパターン』とされています。
ちなみに、精神医学の疾病分類マニュアルであるDSM−Wの人格(パーソナリティ)障害の項では、人格を
『認知・感情・衝動・対人関係の領域にわたる持続的で一貫した傾向』というように定めています。
本来、人格は年齢が高くなるにつれて精神の発達と呼応して変化していくもので、常に変容を遂げるものとい
うことになります。
人格形成の要因としては、生まれながらにして持っている遺伝的な要因と、後天的に獲得していく環境的要因
によって影響されます。
前者を代表するものが気質(temperament)で、その影響は人格の半分程度といわれています。残りの半分の
大部分が環境的要因によるものとされています。
クレッチマーによる気質の分類は以下の3通りとなります。
- 循環型気質:社交的なときと静かなときが交互に出る
- 分裂型気質:非社交的、気づかないところと気づくところ両方が出る
- 粘着型気質:几帳面、凝り性
日本語での「人格」はほとんど「性格」と呼んでも差し支えないほど意味が近くなっています。